Obn Co.,2017
山梨県山中湖の湖畔で開催されたミュージックフェスティバル「Sense of Wonder」のコンセプトを伝えるため、2008年に出版されたアートブック『Sense of Wonder ARTBOOK, DVD & BORAGE』のアートディレクションとデザインを担当した。「Sense of Wonder」の頭文字SOW(=種を蒔く)から、フェスティバル当日の空気感を『蒔かれた種が、まだ誰も知らない花と実をつけ、また種となる』というストーリーに展開し、当日の記録と記憶を解体し、新たな「Sense of Wonder」を誕生させた。アートブック、CD、パッケージの3点構成。アートブックは80ページの蛇腹折りで、広げると蔦のように伸びていく。表紙のビジュアルはインクの表面張力を生かして制作。人の意図を超える形を探り、この表現にたどり着いた。CDを収めるケースは花のように開き、パッケージにはクローバーの種を付着させた。種を付着させる溶剤の形は実際に落ちていた鳥の糞を象っている。すべて自然物をモチーフにデザインした。パッケージは赤い糸を使ってミシン繍で封をし、ライブ同様一度きりの開封行為を意識するつくりとした。販売促進のために移動式のブックフェアを行い、初めて海外のデザイン賞に出品入賞した制作物である。
クライアント:株式会社OBN / 出版:ヤマハエーアンドアール / 写真:THE RIGHT REPORT / アートディレクション・デザイン:SPREAD / 印刷・製造:ラックス、グラフ、こだま印刷
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