Japan House London, 2019
https://www.japanhouselondon.uk/press/living-colours/
Photography: Jérémie Souteyrat
日本の伝統的色彩文化の展覧会。元々柱の多い会場に造作柱をさらに追加し、色彩の森を出現させた。
ジャパン・ハウス ロンドンで開催された展覧会『Living Colours: Kasane—the Language of Japanese Colour Combinations かさねの森 染司よしおか』でアートディレクション、デザインを担当。同展は京都の染色工房「染司よしおか」の植物染の技術と作品を通し、日本の色彩文化「かさね」を伝えるために行われた。王朝時代の女人たちが襟元や袖口、裾に十二単の衣をずらしてあらわした配色の妙趣を「かさね」といい、女人らは複数の色彩を組み合わせ、季節ごとに咲く花や樹や風景を映しだしたという。衣裳だけでなく、「かさね」は文を綴る和紙や調度品にも活かされた。その色文化は男女間のコミュニケーションにも用いられ、貴族の男性は意中の高貴な女性の十二単の「かさね」を見定め、四季折々の「かさね」をあしらった文などを送り、思いを伝えたという。そこで空間デザインのコンセプトを「かさねの森」とし、春夏秋冬の「かさね」を四季の巡りに合わせて順に配置。3から5種で1組、合計115本の反物を、オブジェのように柱に垂らして木に見立て、森のような空間をつくりだした。もともと会場内にあった柱に複数本を追加し、空間を演出した。資料を収集し整理することと、美術品のように鑑賞することをあわせ持つ空間にまとめ、幅広い人々が「かさね」に興味をもってもらえるよう心がけた。
会期：2019年4月5日〜5月19日 / 会場：ジャパン・ハウス ロンドン（イギリス・ロンドン） / 主催：ジャパン・ハウス ロンドン / 協力：染司 よしおか / アートディレクション・デザイン：SPREAD
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