Kläre, 2024
https://www.klare.jp/
ヘッドスパサロン Kläre（クレーレ）。緻密で的確な手技と先端のエイジングケア*成分「ヒト幹細胞培養液」を使用した施術が特徴で、年齢や性別を問わず、現状や将来の頭皮・毛髪に悩みや不安を抱える方に「頭皮・毛髪のケア」と「癒し」を提供する。*年齢に応じた化粧品等によるケア
SPREADは独自のクリエイティブリサーチからコンセプトとブランドルーツを導き出し、空間や香りを含むブランド全体を統括したクリエイティブディレクションと、ロゴ・ホームプロダクト・コミュニケーションツール等のデザイン、予約システムやLINEのデザイン監修まで、ブランド全体の世界観を構築した。
Kläre（クレーレ）とは、ドイツ語で「澄みきっている」を意味する。最新技術により頭皮を限りなく澄んだ状態へ導いたのち、高濃度美容液を塗布する施術を実施すること。究極のリラックスを目指し、心まで澄んで満ちるようなサロン体験を提供すること。これらのことから、ブランドコンセプトを“澄んで満ちる、頭と心”と導きだした。
ブランドルーツはドイツの自然豊かな山岳地帯Shwarzwald（シュバルツバルト）、ドイツ語で「黒い森」の意。密集して生えるマツ科トウヒ属の針葉樹ドイツトウヒの木によって、暗く見えることがその名称の由来。ミスティーでミステリアス。グリム童話の発祥の地でもある。深い森とどこまでも続く沼地の風景は、童話に出てくる美しい場所そのもの。しかし1970年代に、酸性雨の被害によって多くの木々が枯死したが、国民にとってかけがえのないものと意識されていたことから、環境問題への本格的な取り組みが進んでいき豊かな自然を取り戻していった。この森の持つストーリー、生命力と澄み切った空気に、クレーレが提供する世界観が共鳴し「黒い森」をブランドイメージのルーツとした。SPREADは実際にこの地に滞在し、リサーチと撮影を行った。木々が生い茂る植物群からなる森の深い緑色や霧がかった時の壮大な景色、この地で取れる鉱物の澄んだ青色からインスピレーションを受けたオリジナルカラーパレットを制作。ブランド全体のデザインに用いている。
「パーソナル・ヘッドスキンケア」と掲げ、クレーレはその時のお客様の状態に合うように調整した施術とホスピタリティを行う。手を通してお客様に寄り添うことから、一通一通したためる手紙を思い浮かべた。そこで、中世後期の筆記体に基づいたドイツ語の古い手書き形式「Kurrentschrift（クレントシュリフト）」を研究し、そのリサーチを発展させたロゴをオリジナルで描き起こした。
グリーンを基調とした趣の異なる３つの部屋は、数寄屋建築も手がける一流の手仕事によって生み出された本物の空間。箔業者によるカウンターや職人の手による壁のスタッコアンティーコなど、麗しの贅を尽くした。天井の高さの変化によって、包み込まれるようなスケール感覚を創出し、日常から解き放たれた寛ぎの時間を過ごすことができる。
ラウンジでは、「黒い森」の自然そのままを、美しいガラスの中に再現したパルダリウムで、お客様をお迎えする。苔や地衣類を中心とした25種類以上の植物が微生物との良好な相互関係を織り成し、悠久の時の中で繰り返される美しい生命と豊かな水によって自然の循環を再現した。
シグニチャーフレグランス「GLASBACH（グラースバッハ）」は、黒い森の代表であるドイツトウヒやもみを軸に、苦味とシトラス感の混ざった松ぼっくり樹脂や重厚なオークモスなどリアルな森の要素を合わせ、スモーキーでマットな質感をもたらすブルーサイプレスや鮮明に青々しい印象を持つオレンジの葉などを織り交ぜている。ゆっくりと深く呼吸をしながら、心身がほっこりと軽くなり、穏やかに前を向いて一歩を踏み出す、そんな香りのクリエーションで空間に息を吹き込む。
ホームケアプロダクトについて、サロンでのヘッドスキンケアに合わせて、健やかな頭皮と美しい髪を育むためには日々のホームケアも大切。シンプルな形状ながら奥行き感のあるボトルを用い、オリジナルカラーパレットをもとに透け感のある深い青緑を調色。「黒い森」の生命力と澄み切った空気を表現した。2種のシャンプーとトリートメント、3種のスカルプローションがあり、アイテムごとに青緑の濃度差で個性を引き立たせた。
コミュニケーションツールは、クレーレの極上のヘッドスキンケア体験を視覚コミュニケーションからもサポートする。黒い森とサロンを撮影し編集したコンセプト映像を制作。ブランドブックとウェブサイトでは五感を刺激しエネルギーがチャージされるような黒い森の写真とともに構成。ギフトボックスではドイツ語によるブランドメッセージを大胆な金箔押しで演出。ショップカードやペーパーバッグ、封筒、レターヘッド、LINEリッチメニューの細部にいたるまでクレーレの世界観を演出した。
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