SPREAD

2022.11.21

「Red Dot Design Award」にて2年連続グランプリ受賞

SPREADは、世界三大デザイン賞の一つとされる「Red Dot Design Award 2022」のブランド&コミュニケーションデザイン部門において、デザインを担当した「Tsubame-Sanjo Factory Museum」がRed Dotグランプリを、「Color Jungle」がRed Dotを受賞しました。
また、昨年の「Red Dot Design Award 2021」において、同じくデザインに携わった「Mesh Virus-Control Flag Partition」がRed Dotグランプリを受賞しており、2年連続のグランプリ受賞となりました。
そして2022年10月28日(金)、ドイツ・ベルリンにおいて開催された『Red Dot Design Award 2022』の授賞式に参列し、受賞トロフィーを受け取りました。 2022年のグランプリは、部門最高賞である「Best of the Best」に選ばれた作品の中でも特に優れた作品に与えられる賞で、今年は、約50の国から応募総数9,000超から6件がグランプリに選出されています。

 

受賞作品動画

Tsubame-Sanjo Factory Museum

Color Jungle

Mesh Virus-Control Flag Partition

 

Red Dot Design Awardについて 
ドイツのノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンターが主催する『Red Dot Design Award』は、1955年に創設された世界最大級のデザイン賞です。同じくドイツの『iF Design Award』、アメリカの『International Design Excellence Awards(IDEA)』と並ぶ世界三大デザイン賞として知られます。プロダクトデザイン、ブランド&コミュニケーションデザイン、デザインコンセプトの三つのセクションに分かれ、審査は年に一度、国際的なデザインの専門家により、革新性、機能性、人間工学、エコロジー、耐久性などの9つの基準から審査されます。

 

受賞にあたって
かれこれ12年前、はじめてレッドドット・デザイン賞を獲得できたのは、家族経営の小さな工房と一緒に立ち上げた織物ブランドのパッケージデザインでした。そのブランドの品物は100年前の織機で新しい織物をつくる職人の技術の賜物で大変良く仕上がっていましたが、その価値を伝える力がどうしても不足していた時期でした。そこで、品物の認知と価値と向上のためにデザインが出来る手助けはないかと苦慮して行ったことが、レッドドット・デザイン賞へのエントリーだったことを今でもよく覚えています。

レッドドット・デザイン賞は、社会課題の解決策を導くデザインへの評価を大切にしていることで信頼されるデザイン賞です。デザインが当たり前に社会に必要な力であることへの認識を推し進めているアワードでもあります。そのため、デザインを依頼した人や団体と、その回答を出したデザイン、両方に対してこの賞は授与されます。よく勘違いされますが、デザイナーのためだけの賞ではないのです。現代社会を前に推し進めるべくデザインを依頼した人、実施した人へのグローバル視点での高い評価でもあります。この統括的なプロジェクトへの評価は、信頼を生み、信頼は価値に変わり社会を動かします。デザインは、社会を動かす大きな要因の一つである経済とも直接関わっています。レッドドット・デザイン賞を受 賞することはゴールではなくプロセス、経済活動を含め次の活動を繋げ築くための手段なのです。

12年前の初受賞後、ロゴ、プロダクト、インスタレーションなどで評価をいただき、今回いただいた2つを入れると8回目の受賞となりました。参加した授賞式は、あらゆる細部まで目的を持って入念に準備されたクオリティの高いイベントでした。大変華やかなセレモニーである一方で、コロナ、戦争、気候変動…地球で起きている切実な問題にデザインで向き合う姿勢を感じるものでした。

今年グランプリを獲得したのは、2,000㎡超の工場跡を舞台にした金属加工の産地の営みを伝え世に問う展覧会「Tsubame-Sanjo Factory Museum」。昨年グランプリを獲得できたのは、ウイルス抑制新技術を組み合わせたメッシュ素材を用いコロナ禍の状況に提案した新しいパーティション「Mesh Virus-Control Flag Partition」。時代の変わり目といっても過言ではない状況の中で2年連続のグランプリを獲得できたことは、社会課題に向き合った証である喜びを噛みしめられると同時に、身の引き締まる出来事です。

世界最大のデザインイベント「ミラノサローネ」への10年を通した出展、ロンドンやパリでの展覧会と展示会、スイスやシンガポールでの文化教育活動、すべての成功と失敗、依頼者と実施者と共に行ってきたこれまでの経験が私たちの思考の土壌を耕した成果でもあります。私たちは、社会と人々に向き合いデザインすることで、未来を手繰り寄せるための状況を生み出してきました。今回の受賞を誇りとし、より一層、社会と向き合ったデザインを推し進める想いです。

SPREAD 山田春奈 小林弘和

 

受賞作品の詳細などはPress Releaseよりご覧ください。